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猛獣、もし戦えば!

北米大陸の肉食獣決戦

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初めに

前回のブログで私は次回のブログは具体的なヒグマ、オオカミ、ピューマの対決について書くと記述しましたがこの対決は北米大陸の最強の肉食獣を決める決戦であり具体的に彼らの対決を記述する前に南北アメリカ大陸の肉食獣の特徴とその対決させる動物の生態を個別に述べてみたいと思い2度に分けてブログにする事に決めました。

と、いうのはこの南北アメリカ大陸がユーラシア大陸、アフリカ大陸と切り離された歴史はそんなに古い時期では無く他の大陸と共通の動物も多いのですがこの南北アメリカ大陸だけで独自に進化した動物も多くヨーロッパやアフリカなどとは生態系がかなり異なるからです。この対決させる3種の動物の中でも特にピューマはアメリカ大陸にしか生息せずかなり特殊な進化をしたネコ科の動物です。原始的な肉食獣であるクマについては北米大陸ユーラシア大陸で殆ど変化はありませんが高度に進化したネコ科、イヌ科の動物は世界中でこの大陸にしか生息しない動物も多く存在しアメリカ大陸と他の大陸とでは生態系がかなり異なっている部分が多いので始めにその事を説明しておいたほうが具体的にこの3種の動物を戦わせるブログを書く時にスムーズになると考えました。そういう訳でこの北米大陸の肉食獣同士の対決は2度に分けて書きたいと考えています。宜しくお願い致します。

アメリカ大陸独自の生態系について

ユーラシア大陸とほぼ同じ気候である北米大陸、アフリカ大陸とほぼ同じ気候である南米大陸の両方ともに共通する動物も多いのですが全く違う進化の過程を結果として経てこのアメリカ大陸独自の動物になってしまったものも多く存在します。

その理由は草食獣も肉食獣も極めて大形の動物がこの南北アメリカ大陸には存在しなかった事が原因だと私は考えています。アフリカと同じ様な気候の南米大陸にはゾウもカバもサイもいません。ネコ科の肉食獣として最大級であるライオンもおらずヒョウすらいません。こうした独自の生態系の為に南米のワニはアフリカのワニと比較して明らかに小型です。しかし爬虫類すべてが小型なのでは無くアナコンダは間違いなく世界最大のニシキヘビです。何を基準してヘビの世界最大の定義を決めるかにもよりますが長さで考えれば世界最大のヘビはアフリカに生息するアミメニシキヘビの9.9メートルがこれまでで最大です。ところがこの9.9メートルのアミメニシキヘビの重量は160キロほどであり、アナコンダは7メートルクラスでも確実に200キロ以上の重さになります。だから世界最大のヘビはアナコンダだと私は考えている訳です。

南米にヒョウはいませんがヒョウとそっくりの模様をしたジャガーが生息しています。ジャガーはヒョウよりも明らかに大きくネコ科の動物ではトラとライオンに次ぐ大きさの猛獣です。ジャガーとヒョウは似ているのはその外観くらいで生態は全く違います。ジャガーの体はヒョウよりもライオンやトラに近くがっちりしていてヒョウの様に木の上から獲物を狙うような事はせずに殆ど木にも登りません。密林の中に住み待ち伏せて獲物を狙うジャガーはちょうどインドのトラに似た存在ですがジャガーの体重は80キロほどでありライオンやトラの半分ほどです。南米の密林の生態系はこのように爬虫類でも哺乳類でも独特です。

北米大陸でも生態系は独特です。ユーラシア大陸に広くトラという最強の肉食獣が分布しているのに同じような気候の北米にはトラはいません。ですから北米のヒグマにはその天敵がいない訳でありその為かヨーロッパのヒグマより一般的に北米のヒグマのほうが小さいのが現実です。但しアラスカあたりのかなり北にいるヒグマはヨーロッパのヒグマと大きさは殆ど変わりません。通常で体重は500キロ以上あり北海道のヒグマの倍以上の体重になります。しかしロッキー山脈に広く生息しているグリズリーと呼ばれる灰色がかったヒグマの体重は300キロから400キロほどであり明らかにヨーロッパのヒグマのほうが大きいのが現実です。

北米大陸ではイヌ科の動物も独特の進化をしており、その代表がコヨーテと呼ばれるキツネとオオカミの間にいるような体格と性格を持っている動物です。しかしアメリカ人はこの「コヨーテ」という言葉を人を馬鹿にする時によく使いますが実際のコヨーテはかなり優れたハンターでありその獲物の中には飼い犬も飼い猫も確実に含まれます。現実にはコヨーテを倒せる飼い犬など殆どいない訳でキツネの様に群れを作らず単独で狩りを行うコヨーテはかなり北米の肉食獣では実力のある動物です。しかしアメリカ人はコヨーテを人を馬鹿にした存在として扱いますし現実的にもそうです。コヨーテにはどうしてもかなわない天敵が2種類いてこの2種類の動物こそが今回のブログの主役になります。

ピューマという動物

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コヨーテを簡単に捕食してしまう動物の一つがこのピューマです。クーガーとも言われその外見からアメリカライオンとも言われていますがこの名前は全く不適格です。

というのは、このピューマの進化過程はライオンやトラやヒョウやジャガーとは全く違っていて飼い猫とほぼ同じ進化の過程を経ています。つまりピューマは確実にライオンよりも飼い猫に近い訳であり飼い猫に近い進化を経た他のどのネコ科の動物よりもピューマの進化は独特です。北米大陸にはオオヤマネコもいます。このオオヤマネコとは別に独自に進化したボブキャットというオオヤマネコもいます。ところがピューマはこれらのオオヤマネコとも全く離れた存在です。大きさはオオヤマネコが10数キロであるのに対してピューマの大きさはヒョウに近く50キロほどになりその体格の大きさも全く違いますが100キロを超える個体もいくつも見つかっていてピューマの大きさはかなり幅がある様です。しかしピューマピューマ以外の飼い猫と同じ道筋に進化したネコとの最も大きな違いはその主になる獲物の違いです。オオヤマネコの主食が自分より小さく弱いウサギであるのに対して飼い猫と同じ道筋に進化したネコ科の動物の中でピューマだけが自分の体重より重く強い動物を主食にしています。具体的にはトナカイやヘラジカがそうでありピューマは非常に優れた運動能力とスピードで戦い自分よりも大きな獲物を倒します。ピューマの運動能力はヒョウ以上でありその戦闘能力はかなり高いものです。アメリカ大陸は南米ではジャガーがその模様が似ているヒョウよりもむしろライオンやトラの様な体格をしていて外見がライオンに似ているピューマがヒョウ以上に敏捷な動きを見せる進化をしている事は非常に興味深い事実です。

シンリンオオカミという動物

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シンリンオオカミという名前を何故ここで付けてこの動物を紹介する必要があるのかというとアメリカ大陸には複数の「オオカミ」という名の付いた動物がいるからです。

南米の草原地帯に生息するタテガミオオカミなどは実際はオオカミでもなんでも無くキツネに近い動物ですが本物のオオカミでしかも北米に限ってもメキシコオオカミとこのシンリンオオカミの2種類がアメリカには生息しています。

シートン動物記」で有名になったオオカミ王ロボは実はメキシコオオカミでありシンリンオオカミではありません。ロボをシートンが捕らえた際にロボの体格や体重についてシートンは細かく記録していますがロボはメキシコオオカミとしてはかなり大型ですがシンリンオオカミの体格から見れば標準的です。オオカミは世界に広く分布していてその体格は南になるほど小さくなり大きな群れを作るのが特徴ですがヨーロッパオオカミやシンリンオオカミなどの北方種は冬季に10頭未満の群れを作るのが一般的で夏場は単独かペアで行動しているのが事実です。冬になって雪が降り小形の獲物が少なくなると群れで大型の動物を獲物にしたほうが合理的である為に冬季だけに群れを作ります。

しかし夏季に小さな獲物ばかりをを獲っている訳では無く大形のシカやイノシシも頻繁に襲います。北方種のオオカミは群れるから強い訳ではありません。1頭であってもその戦闘力は絶大でありその能力はオオカミよりも大きいすべての犬をはるかに上回ります。暖かくなってオオカミが群れでなくなるもう一つの大きな理由は繁殖の為です。通常その群れで繁殖できるのはリーダーのオスとその伴侶のメスだけであり彼らは夏季は子育てで忙しい訳ですがオオカミが犬と違うのは通常大人になるまで3年くらいはかかりそれまでは冬季に群れに付いて獲物の獲り方を学習し3年経って初めて独り立ちします。この子育てで子供が小さく自分たちも群れを持たない状態の時に子供がピューマやヒグマに狙われますが親オオカミが気付けば敢然と単独でも戦い追い払います。四季があり冬が厳しい北方系のオオカミの戦闘能力は非常に優れていてインドオオカミやチョウセンオオカミなどとは別の動物だと思うくらいに違います。イヌ科に大形の動物はいないとされているのは広く分布するオオカミを一緒に扱っているからで、シンリンオオカミやヨーロッパオオカミの体長は150センチを超え肩までの高さは90センチ近くになります。体重はその割には50キロほどと犬と比べて明らかに軽く非常に敏捷な動物です。群れで獲物を攻撃する時にはドールなどとは全く違った波状攻撃を仕掛けそのオオカミ一頭ずつ違った役割を持った攻撃を仕掛けます。しかもネコ科の動物とは全く逆でオオカミの戦いは長期戦であり相手の疲れを計算に入れた攻撃を徹底的に仕掛けます。シンリンオオカミは北米大陸のイヌ科で最も優れたハンターであり極めて戦闘力の高い動物です。

グリズリーという動物

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ロッキー山脈に生息するヒグマの中で毛が灰色を帯びていてグリズリーと呼ばれるヒグマは北米大陸で人間にとって最も危険な存在です。

ピューマやシンリンオオカミが人間を襲う事は殆ど無く人間の住居とかなり離れた山の中で暮らしているのに対してクマの住居は比較的人間の近くであり人間との接触も多く現実に多くの悲劇が起こっています。特にこのグリズリーと呼ばれるクマは非常に気性も荒く攻撃的です。立ち上がれば3メートル近くの身長になりその腕力は間違いなくロッキー山脈の動物ではトップだと思います。

ロックハウスに閉じ込められたグリズリーが自由を欲して大きな木で出来た天井を突き破って逃げ出した事や人間に向かって重さ350キロの丸太を持ち上げて投げ付けた事もあり恐ろしい怪力です。他のヒグマと比較して足が長くスリムである点はグリズリーの特徴でこのヒグマの運動能力の高さを証明しています。片腕で振るうパンチの力は1トン近くの威力になり人間の背骨を折るには充分な力です。ヒグマはヨーロッパではトラの獲物になりますが相手がヒョウになるとたちまち立場は逆転します。ヒョウの体力や戦闘力ではヒグマには到底勝てません。ヒョウはヒグマに攻撃されれば木の上に逃げるしか無くヒョウの敏捷さもスピードも体力が違い過ぎてヒグマには通用しません。

但し、このグリズリーと前に紹介したピューマやシンリンオオカミとではその通常の獲物にしている動物に大きな違いがあります。グリズリーの主食はサケなどの魚であり木の実も好んで食べます。他の草食獣を襲う事も勿論ありますがそんな事は非常にまれでありしかもたいてい襲うのは自分より小さく弱い動物です。クマは確かに剛力であり人間にとって怖い存在ですが、肉食獣として見た場合ネコ科やイヌ科の動物よりも明らかに他の獲物を襲う体格にはなっていません。ですから食料が不足する冬季には冬眠してしまうのが一般的でこの冬眠中に普通は子供を産みます。したがって冬眠明けのまだ食料が少なく子供も小さな時期にはヒグマの子供はピューマやシンリンオオカミに狙われます。こうした関係が北米大陸の生態系です。

あとがき

次回対決させる予定である動物と北米大陸の独自の生態系を記述すればこうした事になります。特徴のある動物が多いのがアメリカ大陸の生態系の面白さでありその中で現実にこの3種類の動物は頻繁に戦いを繰り返しています。

次回のブログではそうしたこれまでの戦いの記録と死に物狂いで両者が戦った場合はどうなるのかの予想まで書いてみたいと思います。宜しくお願い致します。